組織のお悩みQ&A

「社員が同じミスを繰り返す…」「会議で活発な議論が生まれない…」「評価制度がイマイチ機能してない感じがする…」「部下が同じミスばかり繰り返す…」 組織運営上のあらゆるお悩みについて、100社以上を支援してきた組織コンサルタントの石川がお答えしていきます!

Vol.20 人事部長という立場から組織変革を推進するためには(前編)



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

普段のメルマガでは「経営者の立場で」というものが多いかと思いますが、私は人事部長という立場です。

このような立場から、いかに組織の変革を推進していくか、その注意点などを教えていただければ幸いです。

 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

ご質問ありがとうございます。具体的な状況までは分かりませんので、ちょっと勝手な想定をしながら、回答をさせて頂きます。

まず組織の変革をしていきたいとお考えであれば、何かしら今の組織の状態に問題意識があったり、「もっとこういう組織の状態にしたい!」という ビジョンをお持ちだったりするかと思います。

そして、人事部長というお立場であれば、まずやるべきこととしては、その問題意識やビジョンについて、社長などのトップマネジメントに共有する、というところになるかと思います。

そして、トップと想いが共有されて「それは問題だな。」「そのビジョンに向っていきたいな!」ということになれば、ほとんど問題ありませんね。粛々とやるべきことをやっていけばよい、ということになります。

しかし問題は「共有してみたものの、同じような問題意識を持ってもらえなかった」という場合や、「そもそもトップマネジメントに問題があると思っているので、ストレートにそれを伝えることはできない」というような場合です。

このような場合に”勝手に”組織の変革を起こしていこうとしても難しかったり、限界もあったりするでしょう。
        

そのような場合には、どういった手順やアプローチが有効となるのか、ちょっと考えてみたいと思います。    

A.人事部長は「組織変革」が必要だと考えているが、社長が関心がないケース

B.「組織変革」が必要だと両者ともに考えているが、人事部長は「社長の変化」が必要と考え、社長は「現場の変化」が必要と考えているケース

大きくこの2つのケースがあるかと思います。今回の相談者様がどちらのケースかは分かりませんので、それぞれのケースでどうすべきか書いていきたいと思います。
         

今回は、

A.人事部長は「組織変革」が必要だと考えているが、社長が関心がないケース

について解説していきます。

 
■ 社長が”組織づくり”に興味がないケース

A.人事部長は「組織変革」が必要だと考えているが、社長が関心がないケース

このようなご相談を受けることは度々あります。私自身、そのような経営者の方とお仕事をするケースも多々ありました。

しかし最終的な決裁権をお持ちの社長が「やろう」と言わないのでは、社内で活動をしていくことも大変難しくなります。(我々のような外部の人間は、そもそもお仕事がスタートしません)

 

f:id:Co-ducation:20200109121432j:plain



     

社長が「売上」「利益」「マーケティング」「営業」「顧客満足度」などに興味はあっても、「社員満足度」「離職率」「社員教育」などにはほとんど関心がない、ということはよくあります。

このようなケースの場合は、王道は「社長の思考の枠組みに沿って提案、説得をする」ということです。

離職率が高いことが問題です!社内の制度などを整えましょう!」と訴えても響かなくても「顧客満足度を高めるために、社員定着率を上げてノウハウの蓄積度を上げましょう!」と訴えれば、「それはやってみようか」となることも多いのです。

その「やってみょうか」という言葉をチャンスにして、社員教育を整備したり、評価制度や就業規則などを整備したりしていって、組織づくりを推進していくことができます。

 

■ 社長を巻き込んでいく

実際に組織づくりを推進していきましたら、途中経過なども報告していく必要があります。

顧客満足度を高めるために、社員定着率を上げてノウハウの蓄積度を上げましょう!」と言って、プロジェクトを進めているのであれば、社長に報告すべきは「顧客満足度が高まったか否か」ということになります。

しかし、離職率は低下してきたけれども、顧客満足度は高まっていない・・・というような状況で報告をしなければいけない状況もあるでしょう。

このような場合には「顧客満足度向上につながるにはまだ時間がかかる」ということを説明しなければなりません。
      

ここで重要になってくるのは、BSC(バランススコアカードのような「経営指標の因果関係を整理した図」です。この因果関係を、できる限り論理的に説明し、社長に「その因果関係図は納得感がある」と思ってもらうことが重要になります。

実はこのような「説明」が、組織づくりを推進していく上ではとても大切な要素になります。

関心がなかった社長に対して繰り返し説明を重ねることで「そういう観点もあるのか」「確かにその因果関係も考えたほうがよさそうだな」と視野を広げていってもらうのです。

この部分をサボらずに丁寧に行っていくことで、社長を巻き込んだうえで組織づくりをより一層進めていけるようになるのです。

いかがだったでしょうか。

いつも最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次号では、

B.「組織変革」が必要だと両者ともに考えているが、人事部長は「社長の変化」が必要と考え、社長は「現場の変化」が必要と考えているケース

について解説していきます。

 

当ブログは、毎週火曜8時配信の無料公式メルマガのバックナンバー集です。事務局スタッフが気まぐれで更新していきます。

最新記事が気になる方は、是非、公式メールマガジンにご登録ください♪


また、公式メルマガ読者の方限定で、組織マネジメントについてのご相談をお受けしています。

「社員が同じミスを繰り返す・・・」
「会議で活発な議論が生まれない・・・」
「お客様に対する意識が低い・・・」
「評価制度を作ったもののいまいち機能してない感じがする・・・」


御社のあらゆるお悩みについて100社以上を支援してきた組織コンサルタント・石川がお答えしています。ご興味のある方は、こちら↓↓
⇒ 無料メルマガ 「組織のお悩みQ&A」を購読

 

[Vol.20 2020/01/14配信号、執筆:石川英明]