組織マネジメントの極意

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Vol.16 社員に会社の方向性が見えないと言われました(前編)



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

ビジョンや全社の目標といったものについてお聞きしたいことがあります。

当社では、明確にビジョンを示しているにも関わらず、先日ある社内アンケートを行ったところ

  • 「会社の方向性が見えない」
  • 「目指すところをはっきりと示してほしい」

といった声がそれなりの割合で出てきていました。


正直なところ、ショックがありました。

どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか?

 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

このご質問に対しては、二つの層の回答があります。


一つは「ビジョンを示しているつもりでも、その意味合いをしっかりと浸透させるにはかなりの努力が必要です」ということです。

もう一つは「社員から方向性が見えないといった意見が出てくる場合、ビジョンの問題よりも直属の上司とのコミュニケーションの問題の可能性があります」ということです。

まず、後者の視点からご説明します。

 

■ 上司の指示に矛盾を感じて起こる

一般社員が「会社の方向性が見えない」というような場合、


それは具体的には上司から
「おい、もっとミスないように質の高い仕事をしろよ」と言われ、

その翌日には

「おい、のそのそやってるなよ、スピーディに仕事しろよ」と言われた、


みたいなことを指していることが多いのです。


これは一般社員からすると「質と、スピード!どっちなんだよ!ちゃんと方向性を示してよ!矛盾したこと言わないでよ!」みたいな気持ちになるわけです。

これが「方向性が見えない」といったアンケート記入になることはよくあります。



実際の”仕事”においては、矛盾したものを引き受けながらやっていかなければならないものです。


「利益」などということはその最も象徴的なもので、経費を減らしつつ、売上を伸ばす必要がある、ということになります。

ものすごくコストをかけて売上を伸ばしても、利益が減ってはあまり意味がありません。


そういう「矛盾した要素を引き受けながらやる」ことが仕事なわけですが、こういった点を理解していない社員からすると、上司が「質も!スピードも!」と言ってくると「矛盾した理不尽な指示を出してくるダメな上司」というような印象を持ってしまうのです。


この問題を解決しない限り、「全社のビジョンについてより一層語る時間を増やし、社員の理解・共感を深める」といった努力をしたとしても、社内アンケートを取ると相変わらず「しっかり方向性を示してほしい」といった不満が、社員から出てきてしまうのです。

 

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■ 社員に大人になってもらう

この問題を解決するには、社員に「矛盾したものを引き受ける必要がある」ということを理解してもらう必要があります。

これは、ひらたく言えば「社員に大人になってもらう必要がある」ということです。



社員に大人になってもらうには少し工夫が要ります。

社長や上司から直接「質もスピードもどっちも大事に決まっているだろう!」と教えてあげたところで、「なんだよ無茶言いやがって」となってしまう危険性が大いにあるからです。


これは、宣伝のようになってはしまいますが、こういう時こそ外部の研修講師やコンサルタントが「教える」方が、社員も一般論として受け入れやすく、理解しやすいという面があります。

 

もう一つは、適切なゲームや謎かけのような形にして”自分たち自身で考えてもらう”ということです。

「教える」よりは「考えてもらう」のです。


「仕事で、質を無視してスピードだけ追求していたらどうなると思う?逆に、スピードを無視して質だけ追求してたらどうなると思う?お客さんから見たらどうだろう?」と。

「確かにめちゃくちゃ美味しいけれど、入店してから3時間一品も出てこないお店。確かにすぐ出てくるけど、焦げてたり、冷めてたりするのしか出てこないお店。どう?」というように。


こういったお題を、社員数人にグループ検討してもらうというようなプロセスをとることで「社長、やっぱり、お客さん目線で考えると、質もよくて、スピードも速くて、かつ安い料理店がいいです」という、当たり前の結論をちゃんと持ってきてくれたりします。

 

そして、自分たちでその結論を出すことは、社長から100回同じ話を説教されるよりも効果が高かったりするのです。


今回は後者の視点から書きましたが、前者の視点も重要ですので、その点はまた次回お伝えしたいと思います。

 

いかがだったでしょうか。

 

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[Vol.16 2018/07/03配信号、執筆:石川英明]

 

Vol.15 人事評価と報酬は連動しているべきなのか



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

前回までのメルマガで「なぜ評価制度が必要なのか」というお話をお聞きしてきましたが、

会社が期待する項目に沿って人事評価制度をつくった後、

実際に、社員に自分の評価を上げようとやる気を持って仕事をしてもらうためには、やはり人事評価と昇給制度を連動させておく必要があるのでしょうか。

 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

ご質問ありがとうございます。

こちらはまさに、前回のメルマガでまた別の機会にとお伝えしていた内容ですね。


それでは、今回は、「評価と報酬は連動させるべきなのかどうか?」という部分について解説したいと思います。

 


■ 評価と報酬は連動させるべきなのか

このことについては、諸説あります。

しかし、結論から言うと、私は評価と報酬は基本的に連動させるべきだと考えています。

このことが難しいのは、本来、報酬と連動するものは評価ではなく、業績だからです。

 

利益が増えれば、報酬も増える。

これはとてもシンプルなことです。


しかし、評価が高いからと言って利益が増えるとは限りません。


前回のサッカー選手の例えでいえば、ある選手がスタメンを獲れるほどに成長したとして、しかしチームが勝つとも限らないし、優勝して賞金をもらえるとも限らないのです。


「個人としては評価が高まったが、組織全体としては業績は伸びていない。」

こういうことは普通に起こりえることです。

 


では、業績が伸びていない中で、個人評価が高まった人への報酬の原資は、どこから捻出すればいいのでしょう?


これを実現するためには、大枠の労働分配率(利益に対する人件費の割合)を

  • 「枠は多めに」
  • 「実際に給与支払いは低めに」

するしかありません。


年収300万円の社員が評価が高く、5%賃金がアップすると、315万円になります。この15万円は「業績が伸びていなくても」支払うということになります。

 

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■ 連動させるときに起こること

・・・とここまで説明をしていくと、社員数によって経営者の方の反応が変わることが多いものです。


30名以上の社員数であれば「じゃーそうしておくか」という感じなりますが、10名未満の社員数であると「うーん、業績が伸びてないのに15万円給料が増えるのはきついなぁ。。。」という感じの方も多くなります。


後者の場合は「月々の固定給の昇給率(評価連動)は小さく、業績連動のインセンティブを大きく」することをよく提案しています。


つまり、評価が高くても月々の給与の昇給は1%程度にする。(月給20万円⇒20万2千円)インセンティブは、例えば会社の粗利が1000万円とき、原資として3割の300万円。

頭割りで一人100万円。会社の粗利が1/10になれば、インセンティブも1/10の額になる、というような形です。


このように「1年間の業績に対する連動」を大きくすると、「会社の業績を上げなきゃしょうがない」という気持ちが強くなります。

これは、プラスに働けば「みんなで会社の業績をあげていこう!」という意識にしていくことができるわけです。


しかし、一方で「自分が頑張っても、評価が上がっても給料が増えるわけじゃなくて、結局会社の業績次第かぁ」と、努力する気持ちをスポイルしてしまうリスクもあります。

結局、どのような制度を作ったとしても、どういう気持ちで社員が受け取るかということはどうしても残るわけです。

 

この部分は、また別の機会に詳しくご紹介させていただきます。


今回のご質問に対する回答は以上となります。いかがだったでしょうか。

 

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[Vol.15 2018/06/26配信号、執筆:石川英明]

 

Vol.14 人事評価制度はなぜ必要なのですか(後編)



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

いつもメルマガ拝見しています。

評価制度は、そもそも何のために必要なのでしょうか?

人が人を評価するのは、そんなに簡単ではないと思うのですが、、、

特に、小さい会社であれば、社長が「こいつは頑張っているな」などと、判断するほうが正確な評価ができるような気もします。

どうして評価制度が必要なのか、改めてご意見をいただければと思います。


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

「評価制度が必要な理由」はいくつかの側面から考えられます。

 

一つには「(適切な)人材の育成を促す仕掛け」です。

もう一つには「(不適切な)人材の離職を促す仕掛け」です。

 

前回のメルマガは後者について書きましたが、今回は「(適切な)人材の育成を促す仕掛け」について書きたいと思います。

 

 

■ (適切な)人材の育成を促す仕掛け

評価項目というのは「この項目を満たすことが、会社の業績向上に寄与する」ということを現したものです。


例えば、経営者がサッカーの監督だとします。

もちろん「勝つ」ことや「優勝する」ことが、チームの目標ということになります。しかし選手に「勝つ」「優勝する」だけで評価すると言われても選手は困ります。

そうなると、勝つということをもう少し分解する必要があります。

 

===  サッカーの試合で勝つの分解例  ===

         試合に勝つ
             ↑
得点を増やす、失点を減らす
             ↑
技術力UP↑+体力UP↑+戦術理解UP↑

==================================


このように「そのために必要なこと」というものが分解されて導き出されてきます。


監督としては「技術力、体力、戦術理解力が高い選手からスタメンに起用していくよ」と言うことができます。


そして、スタメン11人。

控えの選手が12人いたとして、この控えの選手に

  • 「スタメンの選手たちは、技術力5点、体力5点、戦術理解力5点の15点満点で13点以上の人たちばかりだ」
  • 「君がスタメンになろうと思ったら、今の11点なのを、13点以上にしなければならない」

と伝えることができるでしょう。これが評価項目ということになります。


言われた選手の方も

  • 「今自分は、技術力5+体力2+戦術理解4の11点だ。スタメンを奪うには、この体力2を、4以上にもっていかなければならない」

ということがハッキリと分かりますし、特にその練習をしよう、ということになるでしょう。

 

シンプルに例えるなら、評価項目と言うのはこのように機能する必要があります。

 

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■ 自社の評価項目は何か

では、自社のビジネスにとっての「技術力・体力・戦術理解」のような項目は何なのか?

これをしっかりと考えて評価項目とする必要があります。


ある会社では

  • 業界知識の勉強
  • 自分なりに考える力
  • 仕事のスピード

という3項目が大切だ、ということになりました。


また、別のある会社では、

  • 挨拶礼儀
  • 訪問件数
  • コミュニケーション力

の3項目が大切だ、ということになりました。


これは、当然のことながら自社のビジネスの種類などによって変わってきます。


もう少し複雑にしていくと「営業部門はこの項目」「経理部門はこの項目」などのように別れていくでしょう。(ピッチャーなら防御率、バッターなら打率のように評価項目が変わるように)


この時に、項目が定量化できるか定性的なものになるかは、それほどこだわり過ぎないほうがよいでしょう。

定量化にこだわりすぎると、ビジネスに本当に大切なことが抜け落ちてしまう危険性があります。


例えば「挨拶礼儀」を評価項目に入れた会社がありましたが、この項目を定量的にするのは大変難しいのです。

挨拶の回数にすればいいのか?

挨拶の時の声の大きさを毎回図るのか?


回数が多ければいいというものでもないですし、大声ならいいというものでもないでしょう。実際、その回数や声のボリュームをカウントするというのも大変な負荷です。

しかし、定量化できないからと言って「挨拶礼儀」という項目は大切で外せないのです。

このような場合は、定性的なままでよいので評価項目にはしっかり入れておくことです。このように評価項目を設定していきます。


そして、社員として「この評価項目の点数が上がるように頑張ろう!」となることが大切ですし、そのために社員自らが勉強し、努力していくようになることが大切です。


上司としても「君の評価が高くなるにはね・・・」という指導をしていく、ということになります。


上司の仕事は、部下の評価を高めることです。よい評価制度がつくられていれば、これは矛盾なく言えることなのです。

部下の評価が高いということは、会社にとっていい仕事をしているということですし、上司も会社も助かる状態になっているはずですから。

(もしそうなっていないとしたら評価項目を見直す必要があります)


しかし問題はまだあります。


サッカー選手であれば「評価を上げて、スタメンになって試合に出たい」という気持ちは自然とあるものでしょう。

しかし、社員にとっては「評価を上げたい」という気持ちが自然とあるとは限らないからです。

そういう気持ちを自然と持っている社員もいるでしょうが、そうでない社員もいるわけです。

そうなってくると「評価が上がれば、給料が増える」といったような社員にとってのメリットも提示されていないといけないことになります。

 

しかし、この報酬と連動させるのかどうかということは、非常に難しい問題なのです。

この点については、また別の機会にお伝えしたいと思います。

 

2回にわたり、評価制度の役割・機能をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。感想やちょっとしたお悩みなど、お気軽にご連絡いただけますと幸いです♪

 

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[Vol.14 2018/06/18配信号、執筆:石川英明]

 

Vol.13 人事評価制度はなぜ必要なのですか(前編)



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

いつもメルマガ拝見しています。

評価制度は、そもそも何のために必要なのでしょうか?

人が人を評価するのは、そんなに簡単ではないと思うのですが、、、

特に、小さい会社であれば、社長が「こいつは頑張っているな」などと、判断するほうが正確な評価ができるような気もします。

どうして評価制度が必要なのか、改めてご意見をいただければと思います。


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

「評価制度が必要な理由」はいくつかの側面から考えられます。

 

一つには「(適切な)人材の育成を促す仕掛け」です。

もう一つには「(不適切な)人材の離職を促す仕掛け」です。

 

今日は後者について特に解説したいと思います。

 


■ (不適切な)人材の離職を促す

正直なところ、自社の仕事に合わない社員に関しては「この会社にいても、全然評価は上がらないし、給料は上がらないし、転職したほうがいいのかな」というように思ってもらうことも大切です。


これは、プロスポーツの世界なら当然のことで「戦力外通告」といった制度があります。「うちの予算では、もうあなたを戦力として雇っておくことはできませんよ」ということを球団などから明確に伝えることができるわけです。


しかし、通常の企業においては「解雇」というのはそれほど簡単なことではありません。

だからと言って「雇った人材が、能力は足らないし、能力を伸ばす努力も見られない」という場合は、解雇したくなるのが多くの経営者の気持ちかと思います。


「あなたのやっていることは、低い評価しかできないし、給与をUpさせることもできません」
ということを、できるだけ事実ベースで伝えていくことが必要です。


場合によっては

「この賃金は、この職位・職務に対する期待値として払っているものであり、それを満たしていないので、減給とします」

ということも、説得力を持って伝えることも必要性があります。

 

これは、法的なリスクを回避するためのものでもありますが、法務的な面は私の専門ではありませんので、ここでは詳述しません。


しかし、法的な面だけでなく社内の公平性、つまり他の社員が不満を持たないようにするためにもこれらの対策は大切なことになります。


引き留めておくべき優秀な人材からすれば、「なんであいつはあんなサボってるんだよ。。。」というような状況が社内にあれば、多少なりともストレスを感じるものです。

 

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例えばですが、そこに対して「降格」といった分かりやすいメッセージが共有されれば、「ああ、ちゃんとうちの会社は信賞必罰なんだな」ということがメッセージもなるわけです。

もちろん、これはやりすぎてしまえば、恐怖政治、独裁政治のマイナス面も出てきますのでそのバランス感覚は必要になりますが。

 


■ マイナス面の期待値を明らかにする重要性


「褒める」「給料を上げる」という方面は、ポジティブなものですし、多少ファジーでもある程度それでOKな場合も多いわけですが、降格や減給といったものは、人間にはなかなか受け入れづらいものだからこそ、明確な基準を用意することが原則になります。


「社長のなんとなくの気分で降格させられる」といったことは、恐怖政治のマイナス面が非常に大きくなります。

お客様のことよりも社長のことを考えるようになり、疑心暗鬼で、社長のごますりを常に考えるような職場になってしまうリスクがあるわけです。(これは法的なリスクも大きい状態です)

 

明確に期待値が示されており、かつ「事実」として、その期待値に達していいないことが明白な場合は、それを叱ることや、注意すること、処罰することなどのハードルは下がります。

注意された側からしても、納得のいきやすいことでしょう。


例えばですが「高速道路は、時速100km以内で走ること」という期待値が明確に示され共有されており、かつ「あなたは今時速120kmで走っていました」という事実が明確な場合は、「罰金3万円です。減点2点です」と言われたら、納得しないわけにはいかないでしょう。


しかしこれが

  • 「そもそも速度制限の法律が決まっていない」
  • 「勝手に速度制限が50km以内に変えられていて、知らなった」
  • 「警察官の気分次第で「それはスピード出しすぎ」と決められる」

などの場合は、それに対して罰則を負うことは、これは非常に承服しがたいことになるはずです。

 

これは、職場においても同じことです。

  • 「課長職には●●ということを期待している」
  • 「それを満たせない場合は、課長職を降格する場合もある」
  • 「降格する場合は、課長手当も当然払われなくなる」

といったことを明確化していくことで、不適切な人材の離職を促しやすくなるわけです。


少なくとも、注意された当人にとって、よい意味で「居心地が悪くなる」わけです。

それによって転職を考えるのか、発奮して自分を成長させるのかは、その人材次第というところがありますが。


評価制度の必要性は基本的には「(適切な人材の)成長を促す仕掛け)」として存在しているべきだろうと考えますが、「(不適切な)人材の離職を促す仕掛け」という面でも必要性があり、そのためにも質の高い評価制度を構築する必要があるのだ、と経営者の方にはご理解いただきたいなと思います。


いかがだったでしょうか。次回は、「(適切な人材の)成長を促す仕掛け)」について解説していく予定です。お楽しみに!

 

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[Vol.13 2018/06/12配信号、執筆:石川英明]

 

Vol.12 キャリア形成と他部署の業務理解



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

 

現在、社内の管理職以外の社員と個別に面談をしています。

その中で、今後のキャリアプランをどう考えているか?を聞いてみると、それぞれの部署がどんな仕組みや機能・仕事をしているのかが分からないという意見が多く出てきました。

現状、社内の組織や各部署の仕事内容について説明する機会は、入社時の研修時に軽く説明する程度です。

社員の中長期的なキャリア形成のために、各部署を理解する機会を用意したいと思うのですが、オススメの方法はありますか。


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

 

このような機会を適切にデザインすることは、組織全体を強化することにとても効果的です。

「他部署の仕事への理解を深める」ということは、社員個人のキャリプランの設計に
貢献するだけでなく、日々の業務上のやり取りの円滑化にもつながります。


結論から言うと「各部署の仕事のやりがいと大変さを深く理解できる機会を持つ」ということが解決策になります。

 

一つの事例をご紹介して、そのポイントについても解説していきたいと思います。

 


■ L社の事例


L社では、新入社員に「各部署の先輩にヒアリングをし、会社の仕事の全体像を理解する」という新入社員研修のプログラムを設計しました。


勿論、新入社員研修ですから「新入社員が各部署の仕事を理解する」ということを第一の目的としたプログラムです。


もう一歩深く考えると

「それぞれ、違う部署に配属される同期同士が、それぞれの部署の仕事大変さを、ある程度理解しながら、協力し合える状態を作る」

ということを意図してプログラムが設計されました。


新入社員3人が、会社にある4部署(各部署5名程度)へヒアリングをしに行きます。

  • 「仕事の大変な面はどんなところか」
  • 「他部署にもっとお願いしたいところは正直どこか」
  • 「仕事のやりがいや面白い面はどんなところか」

についてヒアリングをするように新人に指示します。


そして、そのヒアリング結果をまとめ、全社に向けて発表するということが新人に課せられたタスク、という形にしました。

 

 

■ 実際にやってみた結果


新人たちは勿論

「各部署の仕事の実情がよく分かりました。大変さだけでなく、やりがいと言ったところも入社してより深くしれたなと思います」

といった感想がでてきたわけですが、想像以上に影響があったのは先輩社員たちでした。


「・・・そんな大変さがあったのか…」

「自分たちのその動きが、あっちの部署にこんなに迷惑になってたのか…」

「この部署は、こういうところを誇りにやってるのか…」

その、新人の無垢な発表から、各部署の先輩たちが他部署の仕事への理解を深めていたのでした。


これによって起こったことは、「他部署へ移ることで自分がどんな仕事を経験できるのか」ということへのリアルな理解の深まりと、「他部署との関係性はこうなっているんだ」という理解の深まりによる全社的なチームワークの向上向上でした。

 

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キャリアプランの設計で行くと


キャリアプラン、というのは、会社の面からみた「部署異動・出世」であり、社員の面から見た「部署異動・出世(不出世)」でもあります。


これに関しては「どの部署で、どの役職になると、いくらの給与になるのか」という設計はどうしても必要になることです。


社員側からの本音でいえば、「給料は、部署・役職でどうなっているのか?」はどうしても知りたいことです。

「給料が高いのならば、その部署・その役職を目指したい」という社員も一定数以上いるからです。


しかし一方で、経営側からすると「この部署・役職に対してこれだけの給与(人件費)は、約束します」ということは、固定費の増大につながりやすく、怖いことでもあります。


また、会社都合で「この優秀な人材を、本人の希望は関係なく大事な部署に異動させる」もしくは「この未熟な人材を、本人の希望には関係なく窓際の部署に異動させる」をどれほどするのか、しないのかということでもあります。


これに関して結論としては「あくまで最終的には会社都合で配属・異動は決めます」ということを前提とすべきかと思います。


もう少しいうと「全体の都合を最優先し、その範囲のなかで最大限個人の希望を聞けるだけ聞きます」が現実的な落としどころであることが多いです。



まとめ的に言うと

  • 「どの部署・仕事が給料が高い・低いかを、会社のメッセージとして(ある程度)打ち出す(開示する)」
  • 「異動・出世は会社として決める」

この二つが基本になると思います。


一方で、この二つがあまりにもブラックボックスだと社員としては逆にきつくなる(値段の書いていないお寿司屋さんに来た不安感でずっといないといけないような)ということはあります。


”組織の目的に向けてしっかりとアメとムチを設計する”

ということ

”個人の本質的なモチベーションアップのために組織を度外視することすらある”

ということでは、制度設計等の仕方は変わってきます。



私としては、会社は基本的には前者がよいと思っていますから

  1. まずフラットに、各部署の仕事内容の理解を深める施策を打つ
  2. 部署・役職の給与差(会社はどの仕事を重要と考えているかのメッセージ)をある程度開示する
  3. その上で各社員に「どういうキャリアパスを望んでいる?」を聞く
  4. 最終的には異動・出世は会社側が責任を持って決める 

ということが基本になると思っています。

 

今回のご相談への回答は以上になります。お役に立つところがあれば幸いです。

 

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[Vol.12 2018/06/05配信号、執筆:石川英明]

 

 

 

 

Vol.11 権利ばかり主張してくる社員



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

 

会社のことを考えて色々提案してきてくれるのはいいのですが、正直、自分勝手な要求ばかりで辟易しています。


勉強熱心でもあり

”他社ではこういう制度のところがある” 
”こういう事例が雑誌に出ていた”

というところを出してくるのですが、休暇制度だったり、報酬制度だったり、どうも権利ばかりを主張してくる感じで困っています。


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

 

会社全体のことを考えて、会社の制度についても提案してくれること自体は喜ばしいことですが、その内容が稚拙であると対応するのも疲れてしまいますよね。

しかも、その社員が「良いことをしている!」という気持ちが強い時に、むやみに否定するのも難しい感じがします。

そういった少し未熟で自分勝手な面がある社員であるほど、丁寧さを欠くと「スネてしまう」といったことにもなり、それはそれでまた面倒ですね(苦笑)

 


■ 権利ばかり主張する社員への対処法


この該当する社員が、どういう社員かによって対応は大きく二つの方向が考えられます。

 

一つは「自分の担当業務についてはちゃんとできておらず、それなのに会社全体のことについて提案してくる」というケースです。

もう一つは「自分の担当業務についてはちゃんと成果を出していて、その上で会社全体のことについて提案してくる」というケースです。



前者の場合は、基本的にはハッキリと

「あなたに今、会社全体のことを考えることは求めていない。優先順位として、自分の担当業務で成果が出せるように勉強を積むことを期待している」

といったことを伝える必要があります。


「会社全体のことを考えてくれることは勿論嬉しいので、まず自分の担当業務でしっかりと成果を出したうえで、また半年後とかに会社の制度についても提案を持ってきてほしい」

というように、会社全体のことを考えること自体を否定はしないけれど、ハッキリと”物事には順番というものがあるよ”ということを伝える必要があります。




後者の場合は、”まずは自分の仕事をちゃんとしろよ”という突っ込みどころはないわけですから、”提案してくること”そのものは否定されるべきものではないなと思います。


しかし、実際にいくつかの会社でこういうケースには遭遇してきていますが、確かに「うわぁ、権利ばかり主張してる感じで、経営のリスクとか見えてないなぁ」と思うものが多いものです。


分かりやすいものは「忙しいから、人を採用しましょう」というものですね。


人を採用すること自体は別に悪いことではありませんが

  • 「人件費(固定費)が上がる」
  • 「その分、利益の絶対額を増やす必要がある」

といった経営面を考えずに、提案してくる社員も多くいます。


「うちの会社もフレックス制度にしましょうよ」といったものもそうです。


確かに、フレックス制度を導入して上手くいった会社もあります。

しかし、フレックス制度を導入して組織が壊れてしまった事例もあるわけですし、フレックス制度は失敗だったと考えてフレックス制度を中止した会社もあるわけです。


そういう、負の面を考えずに「あー、自分も午後から出社するとかできたらいいな!」といった気持ちからスタートして、提案してきてしまうケースがあります。


このような時に「他社事例を調べたり、会社全体のことを考える」という姿勢は否定せずむしろ褒めて、しかし同時に「提案内容は視点が偏っており未熟である」ということを注意する、ということをやることが必要になります。

 

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■ 社員のスキルアップへとつなげる


一つのお勧めとしては、以下のように提案してきた部下に伝えます。


「おお、フレックス制度か。そういうのをちゃんと検討するのは大事だなぁ。ありがとう。

しっかり検討したいし、それもあなたのスキルアップにもなるだろうから、成功事例、失敗事例をそれぞれ調べてみて欲しい。

フレックスをやること、やらないことが、社員目線、顧客目線、財務目線、セキュリティ目線などでそれぞれどういうメリット・デメリットがあるかなども整理してみてほしい。

その上でA案B案C案くらい、3案くらいの比較表にしてもらえるといいな」


このように伝えます。


これを聞いて、ちゃんとやってくる社員であればそれはむしろ優秀ということになりますし、その社員はこの仕事を通して着実に、経営者目線を獲得していくことでしょう。

もし「あ、そこまでやらないといけないなら、面倒だからいいや」と内心おもって、提案をしてこなくなれば、一旦それはそれでOKでしょう。


折角、社員がどのような方向性であれ「やる気」という無形資産を持ってくれているわけですから、活用しないのはもったいないことです。

基本的には本人の知識量アップ、スキルアップにつながっていくように誘導していくことが望ましいと言えます。

 

今回のご相談への回答は以上になります。お役に立つところがあれば幸いです。

 

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[Vol.11 2018/05/29配信号、執筆:石川英明]

 

Vol.10 幹部社員の意識を高めるには?



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

 

社長の私一人で頑張っているような状態が続いています。

幹部社員たちには、私と同じような目線で考えられるようになって欲しいのですが、なかなかそうなってもらえていません。

一体、どうしたら幹部社員たちの意識は高まっていくのでしょうか?


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

 

「社長」と「社長以外」の溝は、なかなかに深いものがあります。

これは、これまで数多くの企業様のご支援をさせていただいてきて実感するところです。

 

社長はまさに「最終責任者」です。

そして、それ以外の人たちは「最後の責任は、自分以外の誰かが負う」と思っています。同時に「最終的な決定権は、自分にはない」とも思っています。

 

もう一つ、端的な観点としては「転職」というものがあります。

私は、多くの社長様にお会いしてきましたが「転職」という選択肢を持っている社長はほぼ皆無でした。

ほぼ全員の社長様は「自社をどう経営していくか」しか考えていません。


しかし、社長以外は「転職」という選択肢を持っています。

「この会社がダメになったら」
「この会社が合わなくなったら」

転職しよう、そういう考えを、心のどこかでは持っているわけです。

この差は、かなり大きなものがあります。


ですから、今回ご相談いただいた内容に対しては、私としては「お気持ちはとてもよく分かります。。。」「しかしながら、これはそんなに簡単な話ではありません。。。」というのが、まず最初の率直な気持ちなのです。


とは言え、それだけ済ませてはこのメルマガの意味がありませので、難しいことだということは前提の上で、どういうことをしていけば少しでも幹部の方たちが社長目線に近づいていけるのかということについて書いてみたいと思います。

 

 

■ 社長と幹部の違いは”意志”

社長は

  • 「会社をこうしていこう」
  • 「会社をこうしていかなければ」

といった意志を、自然と持っていらっしゃいます。

それは、トップとしての責任感だったり、リーダーとしての情熱だったりします。


しかし、幹部の方は前述したように

  • 「最後は社長が決めることだ」
  • 「社長が決めたことに従うのだ」

と思っている方が大半です。

まずは、この溝を埋めるようにしていくことが一つです。


簡単に言うと

「社長どうしましょう?」
「こうしないとダメだろう!」

指示や答えを与えていたコミュニケーションを変える、ということです。


「社長どうしましょう?」

と聞かれたら

「君が、どうしたいのか、どうするべきだと考えているのか、それをまとめて提案しに来てくれ」

と返す、ということです。

 

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これをやり始めると、最初は禁断症状が出てきます。

幹部の側にもですが、社長の側にもです。


社長の側の禁断症状としては

  • 「アドバイスしたい!」
  • 「答えを教えてあげたい!」

という症状が出てきます。


幹部の側の禁断症状としては

  • 「なんで教えてくれないんだよ」
  • 「今までは教えてくれてたじゃないか」
  • 「社長、職務放棄かよ」

という感じの症状が出てきます。


しかし、この禁断症状を乗り越えると幹部からの「私はこのようにしていきたいと思っていますが、社長よろしいでしょうか?」という”意志”が出てくるようになってきます。

(実際にそうなるのには、1ヶ月でなる会社もあれば、1年以上かかる会社もあります)


まずは、大方針として、社長と幹部の溝を埋めるには「君はどう考えるんだ?」と”問う”ということが最重要だと誤認識ください。

 

 

■ 問うことの難しさ

さて、実際に問うだけで、幹部が目覚ましく成長するのであれば、どの社長もそれを実践して、その効果を享受しているはずですが、ことはそう簡単ではありません。


次に出てくる壁は「問うても、間違った回答や、質の低い回答しか出てこない」というものです。

この壁にぶち当たって「えーい!やはり自分が指示・指導するしかない!」と元に戻る経営者の方も多いのです。

(そして、それが悪いわけでも間違いなわけでもありません)

 


質の低い回答が出てきた場合は、「より質の高い問いで考えさせる」というのが重要になります。これがいわゆるコーチングの技術です。


例えば単純に「どうやったら売上を伸ばせるだろうか?」と問うて、「頑張ります!」と返ってきたとします。

さて、ここから腕の見せ所です。

「うんうん、頑張る。いいね。具体的に、どう頑張ると前年同月より売上が増やせそうだろう?」

「そうですね、まずはお客様のリストに一通りもう一度連絡してみます」

「おお、いいね。どんな連絡の仕方だとお客様からの反応がいいだろうね?

「・・・。反応・・・。まずは連絡してみますが。。。」

自分に業者から連絡がきたとして、”最近いかがですか?”って聞かれたら、どう思う?」

「・・・、いや、お前に今は用はないよとかって思いますね。。。」

「僕らはそう思われちゃ困るよね?」

「ですね。。。うーん。。。」

「逆にさ、今まで”この業者、いい連絡してくるなぁ”ってのはあった?

「うーん。。。あ!割とよく”競合がこんな動きし始めたのご存知ですか?”って連絡してくる人がいて、結構知らないこと教えてくれるんで助かってる、という人が、一人だけいますね」

「うんうん。」

「そうか!ただ連絡するだけでなく、お客さんの競合の動きとかをちょっと調べてから電話するとかするだけで違いそうですね!やってみます!」

「うんうん!」


・・・このような感じで「問いかける」「引き出す」ということがしていければ最高です。

 

 

■ 成功体験を積ませる


”自分なりに解を導き出して、実行してみて、成果が上がる”というサイクルを経験してくると、だんだんと仕事が楽しくなってきます。

そして、仕事への能動性や積極性が高まってきます。


「問いかける」というのはちょっと手間です。

最初から「競合調査をして、その話をお土産に顧客リストに電話せよ!」と指示したほうが簡単です。

しかし「自分なりに考えてみて、解を導き出して、実行してみて、成果が上がる」という経験を積むことができません。


「言われた通りやったらできた」

もしくは

「言われた通りやったのにできなかった」

という経験しか残らないのです。


しかし「教える」から「問いかける」へ方針転換をして、幹部自身が「自分で考える」ことが身についてくると、これが変わってくるわけです。

 

こうなってくると好循環で

「自分で考える」
 ⇒「結果が出て楽しい」
 ⇒「もっと自分で勉強したくなる」
 ⇒・・・  というようになってきます。


実際に、私がご支援してきているある会社様では、当初は「社長一人で頑張っている感じで・・・」という状態でいらっしゃったのが、かなり幹部と社長の目線が近づいてきました。


これは

  • 「会社の目標設定について問いかける」
  • 「会社の営業戦略について問いかける」
  • 「会社の人事制度について問いかける」

といったことを愚直に繰り返してきた結果です。


正直なところ、社長と幹部との間にまだ”差”はあります。

ありますが、その差は以前よりもかなり小さくなってはいて、社長様からもその点は非常にご満足いただいています。

完全に差をなくすことは難しいですが、差を縮めていくことはできますので、本日の内容も参考にしていただければ幸いです。

 

今回のご相談への回答は以上になります。お役に立つところがあれば幸いです。

 

株式会社Co-ducationの幹部研修「マスタリー・コース」では、企業幹部(最大12名)が集まって、幹部個人の自分自身の内発的なビジョンと、会社のビジョン・方向性とのエンゲージメントを高めることを重視しています。

「社長が孤軍奮闘して幹部は受身的な姿勢でいる」ということでも組織力はなかなか高まらず、一方で「幹部一人一人はやる気に満ちているがバラバラでいる」ということでも、効果的に事業は推進されていきません。


幹部一人一人が「このビジョンは、自分が実現したいビジョンだ」と思えるようなビジョンが共有されている状態。また同時に、それぞれの個性や持ち味、才能への理解が深く、適材適所・相乗効果が大きく創出されている状態。

このような「経営チーム」を生み出していくのがこの幹部研修「マスタリー・コース」です。気になる方は是非、リンク先をご確認ください。

 

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[Vol.10 2018/05/22配信号、執筆:石川英明]