組織マネジメントの極意

「社員が同じミスを繰り返す…」「会議で活発な議論が生まれない…」「評価制度がイマイチ機能してない感じがする…」「部下が同じミスばかり繰り返す…」 組織運営上のあらゆるお悩みについて、100社以上を支援してきた組織コンサルタントの石川がお答えしていきます!

Vol.7 同じミスを繰り返す社員をどうしたらよいか?



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆


若手の社員が物覚えが悪く、何度注意しても同じミスを繰り返してしまいます。
 
上司の方も怒り疲れるやら、呆れるやらで、社長の私から見ても、部長の方がかわいそうになってしまうようなところがあります。

採用に失敗したと言えばそこまでかもしれませんが、育成を大事にしたいとも思っています。

こういう場合は、どうしたらよいのでしょうか?


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆


何度も同じミスを繰り返されると、叱るほうも疲れてしまいますよね。その部長の方のストレスはとてもよく分かります。

同じミスに対して、

A社員は一度注意したらミスをしなくなるのに、
B社員の方は何度も繰り返す。

そうだとしたら、やはりB社員に問題があるわけですよね。


仰るように「そういう人材かどうかを採用の段階で見抜く」ということも大切にはなってくると思いますが、今回は採用の話はせずに、育成という観点で話を進めていきたいと思います。

 

実は、このようなご相談はよくされます。

全社員が同じようにできないのであれば諦めもつきますが、できる部下もいるのに、ミスを繰り返す部下がいると、その社員のことを責めたくなってくるんですよね。

ハッキリ言って「やる気があるのか!」とか「能力が低い!」となじりたくなってしまいます。


しかしまぁ、「やる気があるのか!」「能力が低い!」となじったところで、その部下のミスは減りませんから、これはもうミスを減らして会社が助かる方法を考えるしかありません。

 


■ そのタイプの人材はなぜ同じミスを繰り返すのか?


同じミスを繰り返さないですむ人材というのは、一度叱られると”意識”のレベルで、対策を考え記憶しておくことができます。

例えば営業訪問をして、持参すべき資料を持ってくるのを忘れてしまった。お客様にも迷惑をかけて、上司からも叱られた。


そういうことがあっただけで

「次は繰り返さないようにしよう」

「今度は、オフィスを出る前に必ず”資料を持ったか?”と確認しよう」

【考え】ます。


この【考え】たことを記憶し続けておいて、必要な時に思い出すことができます。

次にオフィスを出るときには「あれ、ちゃんと資料を持ったかな?」と自分に確認することができるのです。

だから同じミスを繰り返さないわけです。同じミスを繰り返す人材は、この機能が高くありません。


 

一つ目はずばり【記憶力が高くない】場合があります。

「普通、こないだ怒られたんだから、次は資料持参についてチェックするだろう!なんでまた忘れるんだ!」

というような”普通”が難しい場合は、ありえます。


このような人材に対して、「今度こそ忘れるなよ!」と怒ることは、残念ながら意味がありません。徒労に終わります。

この人材の【記憶力が高くない】という事実を受け容れた上で、部下をマネジメントしていくという考えが必要になります。


以前、コーチとして働いてもらっていた人材が「コーチングの能力は抜群だが、スケジューリングの能力は極端に低い」というタイプでした。

簡単に言うと、クライアントとのセッション時間をすぐ忘れるのです。


「手帳に書いておいてね」
「はい、手帳に書くようにします。」


それでもまたすっぽかしました。


「手帳に書いたの?」
「はい、書きました。。。」

「手帳を見直さないの?」
「手帳を見る習慣がないですね。。。」


さて困りました。

しかし、コーチとしては本当に優秀ですから続けてもらいたいとも思っています。

 

「うーんと、そしたら前日に”明日何時からコーチングセッションだよ”って電話するようにしますね。」

「すみません、助かります。」


それでもまたすっぽかしました><

困りました。

しかしやはり、具体的な仕組みを考えてみました。


「そしたら、スマホの予定表に入れてアラートが鳴るようにしょうか。」
「やってみます。」


すっぽかさなくなりました!


・・・こういう「記憶が苦手」なタイプの人材に、「ちゃんと覚えとけよ!」といった記憶力頼みの解決策はほとんど役に立ちません。

「記憶が抜ける」ということを前提に、いかにそれを補完する仕組みを作るか、それを具体的に考えることが効果的です。

 

二つ目は【応用がきかない】場合があります。


顧客訪問の資料は忘れることはなくなったが、社内会議では「あ、その資料は今印刷してきてません・・・」が相変わらず多発する、というようなケースです。


できる人からすれば「おいおい、同じような話だろう。。。なんで、同じミスを繰り返すんだよ。。。」と言いたくなるところですが、

顧客先に、資料を持っていく
社内会議に、資料を持っていく

というものを似たケース≒同じケースとして処理することが難しいのです。


実はこれは、脳科学的に言うと「記憶力が高すぎる」人に生じる現象です。

記憶力が細かく良すぎる人は、微細な違いも全て「違い」として認識してしまうので応用が効かなくなってしまうのです。

このような場合は、一つ目で考えたような具体的な対策を、それぞれのケースに応じて用意することが効果的です。

 

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三つめは【対策が考えられていない】場合があります。


「なんで資料忘れちゃうんだよ。。。ダメだろ。。。」
「すいません。。。」

「もう忘れんなよ。」
「はい。。。」

という会話で抜けているのは、部下がちゃんと「対策を考えられているか」のチェックです。


ここで

「で、どうしたら同じミスを繰り返さないかね?」
「えっと。。。」

と答えが詰まるようであれば、反省の気持ちはあっても、具体的な策はないということです。具体的な策がなければ、また同じようなミスを繰り返してしまう可能性は高いままです。

部下に対策を考えさせて、その具体的なアイデアを報告させる。

いいアイデアが出てこない場合は、上司の方からアイデアを提示する。


そういったところまでケアすれば、ぐっとミス発生の確率は減ります。



四つ目は【そもそも、それが悪いことだと認識できていない】場合があります。

対策もばっちり考えたのにもかかわらず、また同じミスを繰り返す、というケースもあります。一番腹が立つやつですね。。。


「前倒しでできるだけやっとけって言ったろ!」
「はい。。。」

「だから、期限管理だけじゃなくて仕事の取り掛かり日を決めるってしたろ!」
「はい。。。」

「じゃーなんでやってないんだ!」
「・・・すいません。」


このような場合、部下が「なぜ前倒しでやっておく必要があるのか」を本当にはちゃんとわかっていない可能性があります。

「期限までにやればいいじゃないか」と思っていたら、上司がどれだけ叱っていても「理不尽に怒ってるなぁ」としか思えないわけです。

こういった場合は「前倒しで業務を進めることの合理性」について説明し、理解を得る必要があります。

「そんなもの、前倒しでやったほうがいいに決まっている」では通用しません。通用しないというか、結局部下は変わってくれないのです。


例えばですが

  • 確かに通常通りであれば1日で終わる仕事なので前日にやればよい
  • しかし、取引先との不確定要素もあり何かあったら3日かかるケースもある
  • 早めに取引先に依頼を出しておけば、不測の事態でも対応しやすく、取引先も余裕をもって準備ができる
  • だからできるだけ前倒しでやるべき業務である

といったことを、丁寧に説明していきます。

この辺の感覚が上司とまったくすり合っておらず「理不尽に怒られた」と思ってしまう部下もいるわけです。

それは上司・部下、お互いにとって徒労となりますから、そうなるくらいであれば多少面倒でも、部下が理解できるようにしっかりとティーチング・説明をするのがよいでしょう。


今回のご相談への回答は以上になります。お役に立つところがあれば幸いです。

 

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[Vol.7 2018/05/01配信号、執筆:石川英明]