組織マネジメントの極意

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Vol.12 キャリア形成と他部署の業務理解



◆◇◆ 今回のご相談内容 ◆◇◆

 

現在、社内の管理職以外の社員と個別に面談をしています。

その中で、今後のキャリアプランをどう考えているか?を聞いてみると、それぞれの部署がどんな仕組みや機能・仕事をしているのかが分からないという意見が多く出てきました。

現状、社内の組織や各部署の仕事内容について説明する機会は、入社時の研修時に軽く説明する程度です。

社員の中長期的なキャリア形成のために、各部署を理解する機会を用意したいと思うのですが、オススメの方法はありますか。


 
◆◇◆ 石川からのご回答 ◆◇◆

 

このような機会を適切にデザインすることは、組織全体を強化することにとても効果的です。

「他部署の仕事への理解を深める」ということは、社員個人のキャリプランの設計に
貢献するだけでなく、日々の業務上のやり取りの円滑化にもつながります。


結論から言うと「各部署の仕事のやりがいと大変さを深く理解できる機会を持つ」ということが解決策になります。

 

一つの事例をご紹介して、そのポイントについても解説していきたいと思います。

 


■ L社の事例


L社では、新入社員に「各部署の先輩にヒアリングをし、会社の仕事の全体像を理解する」という新入社員研修のプログラムを設計しました。


勿論、新入社員研修ですから「新入社員が各部署の仕事を理解する」ということを第一の目的としたプログラムです。


もう一歩深く考えると

「それぞれ、違う部署に配属される同期同士が、それぞれの部署の仕事大変さを、ある程度理解しながら、協力し合える状態を作る」

ということを意図してプログラムが設計されました。


新入社員3人が、会社にある4部署(各部署5名程度)へヒアリングをしに行きます。

  • 「仕事の大変な面はどんなところか」
  • 「他部署にもっとお願いしたいところは正直どこか」
  • 「仕事のやりがいや面白い面はどんなところか」

についてヒアリングをするように新人に指示します。


そして、そのヒアリング結果をまとめ、全社に向けて発表するということが新人に課せられたタスク、という形にしました。

 

 

■ 実際にやってみた結果


新人たちは勿論

「各部署の仕事の実情がよく分かりました。大変さだけでなく、やりがいと言ったところも入社してより深くしれたなと思います」

といった感想がでてきたわけですが、想像以上に影響があったのは先輩社員たちでした。


「・・・そんな大変さがあったのか…」

「自分たちのその動きが、あっちの部署にこんなに迷惑になってたのか…」

「この部署は、こういうところを誇りにやってるのか…」

その、新人の無垢な発表から、各部署の先輩たちが他部署の仕事への理解を深めていたのでした。


これによって起こったことは、「他部署へ移ることで自分がどんな仕事を経験できるのか」ということへのリアルな理解の深まりと、「他部署との関係性はこうなっているんだ」という理解の深まりによる全社的なチームワークの向上向上でした。

 

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キャリアプランの設計で行くと


キャリアプラン、というのは、会社の面からみた「部署異動・出世」であり、社員の面から見た「部署異動・出世(不出世)」でもあります。


これに関しては「どの部署で、どの役職になると、いくらの給与になるのか」という設計はどうしても必要になることです。


社員側からの本音でいえば、「給料は、部署・役職でどうなっているのか?」はどうしても知りたいことです。

「給料が高いのならば、その部署・その役職を目指したい」という社員も一定数以上いるからです。


しかし一方で、経営側からすると「この部署・役職に対してこれだけの給与(人件費)は、約束します」ということは、固定費の増大につながりやすく、怖いことでもあります。


また、会社都合で「この優秀な人材を、本人の希望は関係なく大事な部署に異動させる」もしくは「この未熟な人材を、本人の希望には関係なく窓際の部署に異動させる」をどれほどするのか、しないのかということでもあります。


これに関して結論としては「あくまで最終的には会社都合で配属・異動は決めます」ということを前提とすべきかと思います。


もう少しいうと「全体の都合を最優先し、その範囲のなかで最大限個人の希望を聞けるだけ聞きます」が現実的な落としどころであることが多いです。



まとめ的に言うと

  • 「どの部署・仕事が給料が高い・低いかを、会社のメッセージとして(ある程度)打ち出す(開示する)」
  • 「異動・出世は会社として決める」

この二つが基本になると思います。


一方で、この二つがあまりにもブラックボックスだと社員としては逆にきつくなる(値段の書いていないお寿司屋さんに来た不安感でずっといないといけないような)ということはあります。


”組織の目的に向けてしっかりとアメとムチを設計する”

ということ

”個人の本質的なモチベーションアップのために組織を度外視することすらある”

ということでは、制度設計等の仕方は変わってきます。



私としては、会社は基本的には前者がよいと思っていますから

  1. まずフラットに、各部署の仕事内容の理解を深める施策を打つ
  2. 部署・役職の給与差(会社はどの仕事を重要と考えているかのメッセージ)をある程度開示する
  3. その上で各社員に「どういうキャリアパスを望んでいる?」を聞く
  4. 最終的には異動・出世は会社側が責任を持って決める 

ということが基本になると思っています。

 

今回のご相談への回答は以上になります。お役に立つところがあれば幸いです。

 

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[Vol.12 2018/06/05配信号、執筆:石川英明]